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薬学教育に関する情報

薬剤師国家試験について

1.薬剤師は国が定める資格です

 薬剤師になるには厚生労働省が毎年実施する薬剤師国家試験に合格する必要があります。薬剤師国家試験は誰もが受験できるわけではなく、受験資格が「薬剤師法第15条」に定められています。

薬剤師法が閲覧できるWebサイト

 薬剤師法第15条において「受験資格は6年制薬学課程を修めて卒業した者」に限定されます。ただし、経過処置が「薬剤師法の一部を改正する法律」において、2006年度から2017年度までに入学した4年制薬学教育課程の卒業生が大学院課程を修了した場合に厚生労働大臣が認めれば受験資格が与えられます。

 薬剤師国家試験に合格した後に厚生労働省に免許証の交付を申請します。薬剤師免許証が交付されて晴れて薬剤師を名乗れます。免許証には薬剤師登録番号が記載されており、厚生労働省の薬剤師登録リストに掲載され公開されます。リストはWebサイトで誰でも検索できます。

 薬剤師は原則的に一生有効ですが、まれに行政処分で取り消されたり、身体状況で無効になる場合があります。

薬剤師登録リストが閲覧できるWebサイト

2.薬剤師国家試験の受験資格である6年制薬学課程を修めて卒業した者の意味

 さて、「6年制薬学課程を修めて卒業した者」の「6年制薬学課程」とはなんでしょうか。これは学校教育法第87条(2007年までの旧学校教育法では第55条に対応)に定められています。

学校教育法が閲覧できるWebサイト

この条文では6年制薬学課程について、薬学を履修する課程のうち臨床に係る実践的な能力を培うことを主たる目的とするものは修業年限を6年とすると定めています。よって、わが国の6年制薬学部を卒業すれば薬剤師国家試験を受験できます。

3.薬剤師国家試験はどのように実施されるのか

 薬剤師国家試験に関する正確な情報は、厚生省のホームページにある「薬剤師国家試験」に掲載されています。このページは2013年から内容が非常に充実されたので、ぜひご覧ください。

厚生労働省(薬剤師国家試験)のWebサイト

  • 試験が実施される時期、スケジュール、試験地
    8月下旬頃に公開されます。例年は3月初旬に2日間のスケジュールで実施されます。試験地は全国9地区で実施されます。地区はほとんど変わりませんが会場はときどき変わります。
  • 受験手続
    学生は大学がまとめて申請しますので、大学の指示に従えば大丈夫です。卒業生も受験したいときは必ず出身大学薬学部に11月までには連絡してください。いったん受験資格を取得すれば何回でも受験できます。
  • 試験内容
    6年制薬学課程の卒業生が初めて受験した第97回(2012年3月)から試験形式・内容が大幅に変更されました。345問からなるマークシート形式で出題されます。2日間にわたって午前・午後の4回に分けて実施されるため体力も必要です。試験科目、各科目の問題数、試験の時間割などの具体的内容に関しては厚生労働省・薬剤師国家試験のページをご覧ください。
    試験問題は厚生労働省・薬剤師国家試験のページに公開されており、自由にダウンロードできます。
  • 試験問題はどのように作成されるのか
    医道審議会薬剤師分科会の下に設置された薬剤師国家試験出題基準改定部会において薬剤師国家試験出題基準が策定され、それに準拠して出題されます。
    厚生労働省の「薬剤師国家試験出題基準について」

    実際に問題を作成するのは毎年、厚生労働省が指名する薬剤師国家試験・試験委員(約80名)で構成される委員会です。委員名簿も公開されています。

  • 合格基準
    全体としての正解率と領域ごとの足きり点が設定されています。
    足きり点とは、一つの領域でも足きり点に達しなかった場合、合計が合格ラインを超えていても不合格となる基準です。
4.試験の結果発表
  • 結果発表日
    発表日は厚生労働省が3月下旬に公開します。
  • 結果の発表方式
    例年は発表日に厚生労働省にて合格者名簿が公開されます。合格者名簿は受験番号だけであり、氏名は発表されません。受験生も合格者名簿を閲覧できます。Webサイトでは公開されません。合格者には合格証が郵送されます。
  • 合格率、正答、不適切問題の取り扱い、大学別合格率、都道府県別合格者数、過去の合格率、試験問題も公開されます。これらも厚生労働省(薬剤師国家試験)のWebサイトでも閲覧できます。
5.試験問題の評価

 試験問題の質の向上には建設的な評価がなされる必要があります。薬剤師の約90%が私立大学出身であるために、私立大学薬学部で構成される日本私立薬科大学協会が国家試験の評価を実施しています。

 その報告がWebサイトに公開されていますので、試験問題を深く理解したい場合には閲覧を勧めます。報告は、薬剤師国家試験問題検討委員会の各部会が作成します。各部会の多くには国公立大学薬学部の教員も参加しています。

薬剤師国家試験問題検討結果報告書が閲覧できるWebサイト

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