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薬学教育協議会について

理念と目的

1 薬学教育協議会設立の経緯

 薬学教育協議会は、1958年(昭和33年)に東京大学の柴田承二教授により「薬学教育の充実・改善・発展」を目的に任意団体として創設され、大学基準協会に対し「薬学教育基準」を答申するなど薬学教育の方向付けに深く関わってきた。1990年代には薬学生の実務実習を円滑に実施するための調整機構を設置し、2000年に入ると同一教科を担当する国公私立大学教員が一堂に会して意見を交換するために教科担当教員会議の開催を主宰するなど、創設時の精神を引き継いで薬学教育全般にかかわる事業を実施し、現在に至っている。

 薬学教育協議会は、任意団体として創立されたが、平成16年には有限責任中間法人となり、公共性のある団体として認知されるに至った。平成20年には法人法の改定により法人名は「一般社団法人 薬学教育協議会」となった。

2 新しい薬学教育体制

 戦後のGHQによる教育制度の改革から60余年が経過する間には、薬学教育にも大きな変革の波が打ち寄せてきたが、それぞれの時代に即した対応をすることで世界に類を見ない日本独特の薬学教育が発展してきた。

 平成16年に学校教育法が一部改訂され、医療人としての高い資質をもち、臨床能力を活用してチーム医療の現場で医師、看護師などと協力しあうことができ、また地域医療において薬の安全・適正使用に責任をもって対処できる薬剤師の養成を主目的とする6年制学科の設置が認められた。また、伝統ある日本の薬学研究を継承する基礎研究者、並びに製薬企業の創薬研究、医薬品開発等に携わる多様な人材の育成を主目的とする4年制学科が並置された。さらに、それぞれの学科に対応する大学院も設置された。

 新制度による薬学部教育は、まだいくつかの問題を残しつつも平成24年に完成年度を迎えたが、これからが世界に冠たる日本の薬学教育とするための正念場と薬学教育協議会は捉えている。

3 薬学教育協議会の理念

 薬学教育協議会は、ヒューマニズムを原点とし、科学としての薬学を基礎に、薬の専門職として、チーム医療とセルフメディケーションを含む地域医療の現場でその責任を果たすことができる薬剤師および創薬研究者、基礎薬学研究者の育成に貢献し、もって公衆衛生の向上と国民の健康の増進を図るとともに、次代の薬学教育を担う人材を育成する。

4 薬学教育協議会の目的

 薬学教育協議会の理念に基づき、薬学を選んだ学生が持てる能力を鍛え、最良の選択であったと振り返ることができる教育環境を作ることを目的に以下の活動を行う。

1)薬学教育協議会の在り方について

 薬学を担う人材の育成のため、薬学教育協議会は広く門戸を開き、各大学や関連団体あるいは個人が互いに自由に討論し、最良の道を探るための場となることを目指す。

2)薬学教育に関わる諸団体との関わり合いについて

 薬学教育に関連する団体が種々存在し、それぞれが独自の事業を展開しているが、薬学教育協議会はこれらの諸団体と協力してできるだけ効率よい事業を展開できるよう調整するとともに、得られた情報を共有化するための役割を果たす。

3)国際交流について

 日本における薬学教育のみならず、世界における薬学教育の在り方を考え、グローバルな視点に立って発言し、民間レベルの事業については日本を代表して世界各国との交流のための窓口としての役割を果たす。特に、発展著しいアジア諸国の薬学教育の牽引車として、人々の健康のために医薬品の適切な供給と適用に係る人材の育成に貢献するとともにアジア諸国の創薬をはじめとする医薬品研究者の育成に寄与する。

4)薬学教育に関する調査・研究・評価について

 教育の質の向上を目的として、実務実習の実施状況を含む薬学教育の内容、就職動向などを調査し、その結果を公表する。また、調査結果を解析し、適切な評価を行うとともに教育の質の向上に資する提言を行う。

5)薬学教育カリキュラムの検討について

 医療人としての高い資質をもってチーム医療や地域医療の現場で活躍する薬剤師の養成を主目的とする薬学教育と、基礎薬学研究、創薬研究並びに医薬品開発、情報提供等に関わる多様な人材の育成を目指す薬学教育のカリキュラム作成に指導的役割を果たす。そのために、教科間の連携を積極的に進め、学生が理解しやすいように教科間の流れを明確に示すとともに、学生が個々の進路をイメージできるような体系的なカリキュラムと教育方法を協議し、その成果を提示する。

6)教科担当教員会議について

 教科担当教員会議を主宰し、講義と実習の内容についての情報交換の場とするとともに、教科間の壁をこえて教科担当者間で話し合う場を設けることによって、質の高い授業(講義と実習)の実施に積極的に関わる。

7)病院・薬局実務実習中央調整機構委員会について

 病院・薬局実務実習の調整を行うとともに実務実習の質の向上と均一性を担保するために、各地区調整機構の独自性を尊重しつつ、情報交換を通して各地区調整機構の活動を支援する。

8)薬学実務実習教育の指導者の育成について

 薬の専門職の育成に止まらず、薬の安全・適正使用の責任者となる薬剤師を養成するために、薬学実務実習教育の指導者の教育能力を高めることを目的として、薬学教員および実務実習を指導する病院・薬局勤務の薬剤師を対象に、すぐれた内容の実務実習教育指導者養成研修会を主宰する。

9)薬学研究者の育成について

 「学生の研究能力を育てるための教育」の現状を調査し、卒業研究のあり方、大学院における臨床薬学研究および創薬研究のあり方、研究能力を育成するための指導方針等について協議し、我が国が長年に亘り培ってきた薬学研究の人材の育成に貢献する。

10)創薬および医薬品開発に関わる人材の育成について

 薬学部・薬系大学院教育においては、臨床薬学と薬学特有の基礎研究並びに創薬研究とのコラボレーションが大いに進展し、その成果が医薬品開発および医療現場に波及するものと期待される。薬学教育協議会はこのような時代に対応した薬学のカリキュラムのあり方を考え、創薬および医薬品開発に係わる薬学系人材の育成のための環境づくりを支援する。

5 理念を達成するための事業

 薬学教育協議会は、新薬学教育体制のもとでの薬剤師の養成とともに、医薬品の研究・開発・情報提供等に従事する研究者、技術者、薬学教育者など、多様な分野に人材を輩出するために以下の事業をその基盤とする。

  • 薬学教育に関する調査・研究・評価
  • 薬学教育カリキュラムの検討
  • 薬学教育者ワークショップの実施
  • 薬学教科担当教員会議の主宰
  • 薬学部学生の病院・薬局実務実習の調整
  • 薬学教育に関する国際間の情報交換と協調
6 事業に必要な委員会等

 薬学教育協議会は、医薬品に関わる分野を専門とする人材を輩出するために法人内に以下の委員会を設置して理念を達成するための事業について協議・実行する。

  • 薬学教育調査・研究・評価委員会
  • 薬学教育カリキュラム評価検討委員会
  • 薬学教育者ワークショップ実施委員会
  • 薬学教育教科担当教員中央会議
  • 病院・薬局実務実習中央調整機構委員会
  • 病院・薬局実務実習推進委員会
7 事業を達成するための構成員としての社員

 薬学教育協議会は、大学、薬剤師に関わる職能団体、卒後教育に関わる団体、医薬品企業に関連する団体など、非常に幅広い分野の代表で構成されており、これらの構成メンバーから得られる英知は計り知れない。したがって、薬学教育協議会は国公私立73大学74学部の代表者、国公立大学薬学部長(科長・学長)会議、日本私立薬科大学協会、日本薬剤師会、日本病院薬剤師会、日本薬剤師研修センター、日本薬学会、大阪医薬品協会、東京医薬品工業協会、日本薬学図書館協議会、薬剤師認定制度認証機構、その他薬学に関連する全ての団体が参加する組織となることを目標とする。

8 薬学教育協議会を運営するための役員の構成

 協議会の運営のために理事で構成する理事会および法人の業務・財産を管理する監事をおく。代表理事および専務理事は理事の互選により選出する。また、業務を執行するための業務執行理事を選任する。さらに、薬学教育に関して高い見識を備えた人材を顧問として委嘱し、理事会にて意見を伺う。また、薬学教育協議会の将来を構想できる若い行動力のある人材を参与として委嘱し、業務執行理事会にて意見を伺う。

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