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代表理事挨拶

 一般社団法人 薬学教育協議会は、1958年(昭和33年)に、柴田承二先生(当時 東京大学教授)により薬学教育の充実・改善・発展に寄与する目的で任意団体として創設され、今日で60余年の歴史を持つ団体です。本協議会は、全国の薬科大学、薬学部と薬学教育に関連する団体を主な構成員とし、薬学教育として、4年制薬学教育、6年制薬学教育、大学院教育(修士課程、博士後期課程、博士課程)から生涯教育にまで関わっています。

 伝統ある薬学研究を礎とする基礎薬学教育は、現在は4年制学部教育から大学院教育にわたる教育が展開されています。遡れば、6年制薬学教育の国会決議(平成16年、2004年)に際しては、附帯決議として「生命科学の進展、医療の高度化に対応し、大学、民間研究機関等において、国際競争力を持つ創薬等の研究開発を担う人材の育成に努めること」とされ、改めて基礎薬学教育の重要性が強調されました。高度な先端技術(AI、ビッグデータ、IoT、ロボティクスなど)の進歩のもと、医薬品、医療機器や医療技術が急速に高度化する今日においては、その重要性は益々高まっており、次世代を担う人材の育成は薬学界にとっては喫緊の課題になっています。

 また、少子高齢社会、社会保障制度、高騰する医療費、医療制度変革、地域包括ケアシステムの構築、医療技術はもとより高度先端技術の急速な進展など、医療人である薬剤師を取り巻く環境は激しく変化しています。6年制薬学教育は、平成18年度(2006年度)から開始され十数年が経とうとしていますが、その間、薬学教育モデル・コアカリキュラムの改訂を始め、質保証のための評価機構の活動、実務実習生のレベル保証のための共用試験センターの活動、実務実習内容の充実と質向上のための調整機構の活動など、様々な努力が行なわれてきました。今後、激しく変化する社会背景のもと1020年後の薬剤師が果たすべき役割・使命を社会的ニーズから具体的に把握し、卒後の教育も含めた6年制薬学教育の質向上・高度化に努め、次世代の優れた人材を育成することは、薬学界にとって最重要課題の一つです。

 薬学教育協議会は、このような薬学教育の重要性を踏まえ、その一層の発展・向上のため力を尽くしたいと考えております。関係諸氏、関連団体等のご支援を切にお願い申し上げます。

薬学教育協議会 代表理事 本間 浩

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